松山神社から徒歩1分ほどのところにある養念寺(ようねんじ)。普段一般公開されていないが、「紅葉を観る会」と称して秋に1日だけ一般公開されている。
慶長2年(1597年)の創建と伝えられ、当時からあったとされる古池は泥土の色が黒く見えたので烏が池といい『尾張名所図会』に記載された名庭園。
戦時中、建物は焼失しお庭も荒廃したが、昭和56年に当時を知る関係者による聞き取り、古地図を参考に庭師・沢田天瑞氏監修のもと再現される。
どこから入ればいいのか迷っていたが、本堂は閉まっていたが横の庫裡が開いていたので覗くと、女性住職が『上がってください』と声をかけられて畳の間に座って拝観する。
他同様に30代男性が拝観していた。奥の廊下からも拝観する。
帰ろうとした時に、女性住職がきて話を伺う。
あそこの灯籠がお釈迦様を現わしていて、池の真ん中にある石が舟。手前側が今いる世界で奥側は浄土の世界で、優しい道(舟で皆で渡った方が楽である)と簡単に教えてくれる。
烏池は、30年前はもっと水かさが多かったらしいが、周辺の住環境の変化などにより半分ほどに減ってしまった。今も湧き水が出ているので水道水を足すことはないようだが烏が池庭園と呼ばれる池を守ってきたいという住職の意思を感じた。
年に1回の特別公開の他は、どこかが主催するコースの一環としてか一般公開していない。
真言宗や曹洞宗とは違い、浄土寺にありがちな内輪感があるので気軽に入りづらいなど、色々思ったことを率直に伝えると参考になられたようでこちらとしても嬉しかった。
【養念寺】
住所:愛知県名古屋市東区泉3-3-13
TEL:052-931-0243
営業時間:年に1回(紅葉を観る会)
アクセス:地下鉄桜通線「高岳駅」下車。2番出入口より徒歩10分ほど