起停留所からすぐ左折していくよりも、交通量の多い尾西歴史民俗資料館前の道よりも歩道橋手前の道を左折していくのがベスト。
帰りのバスは下車したところと同じ停留所から一宮駅方面へ行ける(巡回ルートなので反対側車線にはない)。
停留所から徒歩5分弱のところにある尾西歴史民俗資料館(旧林氏住宅・旧林氏庭園・本館)。
旧林氏庭園は、江戸時代に美濃路の宿場町として、参勤交代の際に大名の家老らが泊まる「脇本陣」の主人を務めた林家の邸宅の庭。昭和初期に約10年かけて整備された。
心字池に敷き詰められた白っぽい石、水琴窟周りに敷き詰められた赤っぽい石、手水鉢周りに敷き詰められた黒っぽい石、飛石など石には随分とこだわったらしい。
ドウダンツツジやイロハモミジが秋には色づき、見事に生えた杉苔に映える。数年前までは薄っすらと緑がかったような感じであったが、2014年から専門の庭師監修のもと日々手入れされたおかげで、苔が見事に生育している。
訪問時も、「苔を踏まないようにお願いします」と注意をうながしていた。
心字池は10㎝ほど水が溜められるようになっているのだが、コンクリートにヒビが入っているので溜められないらしい。今後資金に目途がつけば改修されるかもしれない。
建物(邸宅)は、明治24年(1891)の濃尾地震の倒壊後再建され、平成30年度(2018)に耐震補強工事が行われた。
昔は堤防が低く、建物から伊吹山が見えたようである。
春と秋には呈茶サービス(300円)を希望すれば、より贅沢な時間を味わえる。お寺ではないので“尾張の苔寺”と名乗れないが、国の登録記念物に指定にふさわしい尾張の名勝庭園であるのは言い過ぎではない。
ここ数年で訪れる人が増えたが、年に何回か企画展で訪れた人がお庭に感動して徐々に広まったことや、色んなミニコミ誌などにも取り上げられたことにより認知されてきたようだ。
本館は旧尾西市の歴史や文化、人々の生活を展示解説している。
【尾西歴史民俗資料館】
住所:愛知県一宮市起字下町211
TEL:0586-62-9711
営業時間:9時~17時(入館は16時半まで)
定休日:月曜日(祭日の場合翌日休館)・年末年始
入館料:無料
アクセス:名鉄バス一宮駅2番乗り場から「起」停留所下車。徒歩5分ほど